アセクシャルの歴史

日本でのアセクシャルの歴史をまとめました。

asexual.jpの独自研究なので、突っ込みどころや加筆訂正削除などもあると思います。特に、情報の追加や訂正が欲しいです!!もし何かありましたら、メールでご意見を頂けますと幸いです。主に、最近の動向よりも、いずれアセクシャルの歴史になるかもしれない部分に重きをおいています。

最終更新:2022年10月22日


目次

アセクシャルの歴史 2001年〜2013年まで

2001年

 アメリカで、現在でも世界最大のアセクシャルに関するサイト(AVEN)が立ち上がる。
 アメリカを中心に、「asexual」(アセクシャル)という言葉が広がり始める。

2002年

 この頃から、日本でも「asexual」(アセクシャル)という言葉が、少し認知し始められる。最初はセクシャルマイノリティの間で。
 
2002年1月「INNOCENT KINGDOM」(管理人:王理さん=閉鎖)アセクシャルに関するサイトとして立ち上がる。「INNOCENT KINGDOM」では、アセクシャルについての簡単な解説、掲示板、チャットなどがありました。

 インターネットの「2ちゃんねる」でアセクシャルについてスレッドが立ち、情報交換がはじまる。
(さかのぼれる限り、 2002年1月29日からスタート

 2002年8月26日、「asexual.jp」ドメイン取得
 2002年9月1日、「asexual.jp」仮運用開始
 2002年(日付不明)、「IS THE ASEXUALITY KNOWN?」(管理人:不明?=現存だが、運用停止)が立ち上がる。同盟名簿として、アセクシャルの人が登録出来る名簿や一言、リンク集があった。

2003年

 インターネットの「2ちゃんねる」でアセクシャルについて活発に議論や交流がなされる。

 2003年3月20日、「asexual.jp(Enkelien Metsa)」(管理人:雪)本運用開始
 2003年12月1日、「asexual-japan.net」(管理人:ももさん)運用開始

現在このドメインは消滅していたため、asexual.jpで押さえています。記念碑的存在なので。もしこのドメインでサイト構築したい方がいらっしゃいましたら、メールにてご連絡ください。
 この頃、当時流行していた、「○○に○つの質問」のシリーズで、「Aセクシャルに55の質問」(管理人:氷魚さん=サイトは運用されていませんが、現存)が出来る。

  • 当時のasexual.jp(Enkelien Metsa)では、アセクシャルについての解説、掲示板、チャット、メーリングリストなどがありました。AVENの資料の一部を翻訳したページもありました。
  • 2003年7月1日からは「Prase(Project asexual)」として、アセクシャルの広報や各種企画を行うページを開設。札幌パレードへカンパを募った上で広告掲出を行いました。また、ID制で、プロフィールを書けるサービスや、自分自身のアセクシャリティ論が書けるサービスや、Aセクシャルに55の質問の回答を作れるページを提供。また、「Asexual Webring」として、アセクシャルな人のサイトを繋ぐリング(ウェブリング)を提供。(実は、サーババックアップで、プロフィールや55の質問への回答、Webringのリンク先はデータで残っていますが、いま出すと衝撃の大きそうな人も多いと思うのでやめております。)
  • 当時のasexual-japan.netでは、アセクシャルについての解説、掲示板、チャット、メーリングリストなどがありました。

 asexual.jp、asexual-japanで深夜チャットが繰り広げられる。当時は定額制インターネット接続ではなかったため、「テレ・ホーダイ」という23時以降電話料金が定額制になるサービスを利用している人が多かった。

2004年

 2004年3月、「INNOCENT KINGDOM」閉鎖。
 2004年7月26日、mixi内に、「Aセクシャル asexual」コミュ(管理人:あまさん=現存)が出来る。
 2004年12月23日、mixi内に、「ASPOアセクシャルコミュニティ」(管理人:dj-tam pattalliroさん=現存)が出来る。
 2004年の札幌パレードにも、asexual.jpで広告を出す。

 2003年からこの頃、アセクシャルの言葉の定義について、大きな議論がある。本物偽物論議や、恋愛感情有無に関する議論などがあり、論争となる。詳細は、「2003年〜の議論」で。

アセクシャルに関するオフ会が何回か東京で開かれる。

2005年

 アセクシャルに関するオフ会が何回か東京で開かれる。

 2005年8月13日、asexual.jpで呼びかけた人たち(4人)で「TLGP(東京レズビアン・ゲイパレード)2005」にアセクシャルとして参加する。
 2005年11月20日、2人が立命館大学学園祭レインボーパレードにアセクシャルとして参加、アセクシャルについてスピーカーで宣伝。
 「IS THE ASEXUALITY KNOWN?」サイト運用停止(登録や名簿掲載停止、サイトは現存)

2006年

 2006年2月、「asexual-japan.net」閉鎖。
 「asexual.jp」月間データ転送量が大変なことになり、サーバを変更(引っ越しの際にデータを一部失う)。

2007年

 「asexual.jp」掲示板について、管理が出来なくなったため、掲示板等を運用停止。

 この頃から、当時のいわゆる「広義のアセクシャル」(恋愛感情のある、でも性的欲求は持たないアセクシャルを、当時こう呼んでいました)を「ノンセクシャル」と呼ぶ流れが生まれ始めた。自然発生的に出てきたため、出自までは追えませんでした。

2008年

 2008年7月31日、mixi内に、「ノンセクシャル(非性愛)」コミュ(管理人:ウイカさん)が出来る。
 2008年8月、解説などの必要最低限のページを残して、「asexual.jp(Enkelien metsa)」運用停止

2010年

 「asexual.jp」一度、最低限の機能を残して閉鎖。

2012年

 「asexual.jp」ドメイン譲渡告知を行うも、応募者なし。
 テレビ、TBS系列「私の何がイケないの」で、無性愛者を名乗る女性の方が出演し、アセクシャル的なことをお話しされる。

2013年

 2013年1月16日付け新聞、北陸中日新聞の「popress」(北陸中日新聞の若手記者が作る、若手向けの特集記事)にて、「無性愛者」の人の記事が掲載される。記事タイトルは「初恋ナイ、男ニモ女ニモ性欲ワカナイ、体触ラレタクナイ… 「無性愛者」誤解しないで」であった。(現在はリンク切れになっています。)

アセクシャルの歴史 2014年 asexual.jp再び運営開始〜現在まで

2014年

 2014年11月、「asexual.jp」再構築開始(管理人:雪)←当初のまま変わっていません。
 新しい「asexual.jp」では、解説(アセクシャルについて)を一新したほか、掲示板やクローズドSNS、また昔から好評だったひとこと掲示板などを設置。

 2014年11月16日付け朝日新聞、「(男が生きる 女が生きる)性は男と女だけじゃない 「らしさって?」記事に反響」の記事の中で、アセクシャルと思われる方が登場される。

2015年

 2015年頃より、「にじいろ小町」(現在の「にじいろ学校」さんの前身)にて、アセクシャルのオフ会が開かれるようになる。
 2015年11月4日からはじまった、「ライフネット生命保険」の同性パートナー向けのサービスは、同性のアセクノンセクの親友同士でも使えるとの情報があった。

2016年

 2016年4月1日、アセクシャルに関してもよく扱われている、「特定非営利活動法人にじいろ学校」さん設立。
 2016年5月8日、WIRED JAPANにて、「セックスを拒絶する若者たち──アロマンティック・アセクシャル」という、アセクシャルを取り上げた記事が掲載。
 2016年11月14日、Amebaニュースにて、セックスのない愛 世界に広がる「無性愛(アセクシャル)」とは?という、アセクシャルを取り上げた記事が掲載。

2017年

 2017年8月7日、NHK News Pickupにて、「恋ってしなきゃダメですか?」として、アセクシャルなどが取り上げられる。

2017年10月26日、ハフポストにて、「恋愛しなくちゃいけないの? アセクシュアルの私が感じる生きづらさ」というアセクシャルを取り上げた記事が掲載。

「札幌Aセクオフ2017」が、北海道札幌市円山近辺で実施される。札幌は比較的アセクシャル関係のオフ会などは活発に行われている。「かもカフェ」「ゆるカフェ」という、セクシュアリティに疑問を持っている人のカフェも開かれるようになり、アセクシャル当事者がそちらに集う傾向も見られる。

2018年

2018年9月、政治家としてははじめて、アセクシャルを公言する方が現れる。
→「性的マイノリティ当事者であることを公表致しました(2018年9月議会)」、立憲民主党町田市議会議員 東友美公式サイト

2018年11月10日、早稲田大学早稲田キャンパスにて、「あなたの「好き」と、私の「好き」、どう違う? ―アセクシュアルの視点から考える人間関係―」という、講演イベントが行われる(講演者:なかけん氏・三宅大二郎氏ほか)。

2018年12月26日、マイナビウーマンにて、モデルのこんどうようぢがノンセクシャルについてインタビューで答える。
→「僕の恋愛にセックスはいらない。『ノンセク男子』の本音 」、マイナビウーマン


2018年頃に実施されていた、「カラフル@ハート」のイベントでは、多くの人が「恋愛感情がわからない」と訴えることもあり、事実上のアセクシャル率の高いイベントになっていた。
また、池袋の「Queer&Ally」のイベントも、比較的アセクシャルフレンドリーであり、アセクシャルの人が集まる傾向があった。

2019年

2019年1月16日、モデルで俳優の中山咲月が無性愛であることを自身のブログでカミングアウトする。
→「無性愛」、中山咲月 公式ブログ

2019年1月〜2月、アセクシャルに関する雑誌記事が立て続けに発売される。
週刊SPA!1月29日号「若者の恋愛観に変化あり」
NEWSポストセブン「アセクシャル、ノンセクシャルとは… セクマイ関連用語解説」

2019年2月28日。インターネット番組ABEMAアベプラ「性欲が低い人が急増中? “恋愛もSEXもいらない”アセクシュアルの実態とは」にてアセクシャルが触れられる。

2019年4月15日、ジュリー・ソンドラ・デッカー(上田 勢子訳)『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて』が翻訳出版される。アセクシャルに関して本格的に取り上げられた、書籍の一冊(外国文献の邦訳ではあるが)と思われる。

2019年5月20日、NHK総合ノーナレ「恋愛圏外」でアセクシャル当事者(なかけん氏)がドキュメンタリー番組に特集されて放送。

2019年10月17日(再放送10月20日)、NHKのEテレの「バリバラ」にて、アセクシャルとXジェンダーをテーマ(タイトル:「2.4時間テレビ番外編 ~アセクシュアル・Xジェンダーの世界~ 」)に放送。
2019年11月9日、大阪大学吹田キャンパスにて、「アセクシュアルから考える親密性 人の多様性、関係の多様性」という、講演イベントが行われる(講演者:なかけん氏ほか)。

2020年

2020年6月1日〜6月30日の間、「アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム調査2020」として、Aro/Ace(アセクシャル、ノンセクシャルなど)の方向けのweb上の調査が行われる。 その後同年11月1日、Aro/Ace調査についての結果の概略発表。

2020年9月17日、ABEMAドラマ「17.3 about a sex」にて、主要人物の原紬(田鍋梨々花)がアセクシャルのキャラクターとして描かれる。

2021年

2021年、International Asexuality Day(IAD)(世界アセクシャルの日)が4月6日に制定された。世界アセクシャルの日には、30を超える世界の国と地域が参加している。

2021年9月17日、中山咲月フォトエッセイ『無性愛』にて、自身がアセクシャルであることが改めて触れられる。おそらく、日本の芸能人で初めてアセクシャルだと告白する書籍と思われる。

2022年

2022年1月10日、NHK総合よるドラ「恋せぬふたり」(全8回)で、主人公の兒玉咲子(岸井ゆきの)と高橋羽(高橋一生)が共にアセクシャルのキャラクターとして描かれる。日本の地上波の連続ドラマでアセクシャルが主人公なのは、今作が初めてだと思われる。

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